令和7年6月13日に「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が成立しました。基礎年金の給付水準の引き上げや、遺族年金の見直しなど、改正項目が多く影響も大きいことからも、関心の高さがうかがわれます。ここでは、企業に影響のある改正のうち、在宅老齢年金制度の見直しと厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引き上げについて取り上げます。
◆在職老齢年金制度の見直し
一定の収入のある厚生年金受給権者が対象の在職老齢年金制度につい
て、支給停止となる収入基準額が50万円(令和6年度価格)から62万円
に引き上げられます。(施行日2026年4月1日予定)
在職老齢年金制度とは現役レベルの収入がある者には、年金制度の支
え手に回ってもらう観点から、賃金と老齢厚生年金の合計が基準を超
える場合に、老齢厚生年金の支給を減らす仕組みです。高齢者の活躍
を後押しし、できるだけ就業調整が発生しない、働き方に中立的な仕
組とすることを目的としています。
◆厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引き上げ
厚生年金保険等の標準報酬月額の上限について、負担能力に応じた負
担を求め、将来の給付を充実する観点から、その上限額が標準報酬月
額65万円から75万円に段階的に引き上げられます。また、最高等級の
者が被保険者全体に占める割合に基づき改定できるルールが導入され
ます。
実施期限は、68万円(令和9年9月~)、71万円(令和10年9月~)、75万
円(令和11年9月~)と3段階にわけて順次引き上げられます。